Episode No.2929(20080109)
保障と期待

欽ちゃんファミリーの関根勤さんが
或る番組でこんなことを話していた。

「なかなか売れ名かった頃、
 大将(欽ちゃん)に・・・
 おまえの芸は、
 例えば100万円もっていたとすると、
 その100万円を
 全部見せつけているような芸だ。
 50万円だけしか見せずに、
 もうあと50万も100万も
 持っているように見せるのが
 本物の芸だよ
 ・・・と言われて目から鱗が落ちた」

この話は、何も芸人だけでなく、
営業でも、企画でも・・・
どんな仕事にも言えるような感じがした。

100万円の力を持っていたとしたら、
すべてを使って
力いっぱい仕事をすればいいようだけど、
これからやろうとしている仕事や、
客に勧める将来の展望は
実際のところ、どうなるのか何の保障もない。

こうなったらいいな・・・とか、
こうすべきだ・・・という話は、
どんなに裏付けがあろうと、
・・・しょせん想像でしかない。

そこに期待がもてなければ
今の力だけで終わってしまい、
自分も、そして相手も、
新しい何かをつかむことはできないだろう。

出し惜しみとは違う何か・・・が。

100万が1千万であっても・・・
いくら準備をしたところで、
見えない将来に対して
充分ということはあり得ないのだから、
何も持たずとも戦える自分を見せるしか
・・・道はない。