Episode No.2755(20070620):
臨機応変
以前NHKでやっていた
チャップリンのドキュメンタリー番組を見返す。
今回、印象の残ったのは・・・
「街の灯」を撮り上げたチャップリンが
世界中を旅して、世界中の要人たちと出逢い、
その刺激をもとに次回作に着手したというあたり。
ガンジーに逢った時のこと・・・
チャップリンが、
「機械文明のおかげて便利になって、みんな幸せになる」
・・・というような感じのことを言うと、
ガンジーは、
「素朴な生活の中にこそ幸せはあるのもだ」
・・・と異を唱えた。
その言葉がひつかかっていたチャップンは、
その後、フォードの工場を訪れ、
オートメーションの現場をかいま見て、
・・・再びガンジーの言葉を思い出す。
こうしてできた次回作は言わずと知れた
・・・「モダンタイムス」。
ノイローゼになったチャーリーが
巨大な歯車に巻き込まれながらも、
ひたすらネジを絞めようとする姿は
可笑しくも現代人の哀れさを感じさせた。
人間の仕事と機械の仕事の大きな違いは何か・・・?
機械は繰り返しの作業を得意とするが、
人間は繰り返しを苦手とするところがまず違う。
同じ判断なら機械にもできるが、
その都度違う判断をしなければならないとなると
・・・今のところ人間にしかできないだろう。
言い方を変えれば・・・
同じ判断をするなら機械の方が上、
・・・ということになる。
臨機応変にアドリブをきかせてこそ
人間らしい仕事ができる・・・というわけだ。
あの喜劇の王様、天才チャップリンでさえ
・・・悩み抜いた挙げ句、
最初に考えていたものとは、
まったく違う作品を作り出しているんだから、ね。