Episode No.2575(20061122)
基本に返れ

今やネットオークション
個人の楽しみや
企業の利益だけのためでなく・・・
自治体でも積極的に活用されている。

つい昨日も新聞の地方版に
税金滞納者から差し押さえたものを
ネット公売にかけたところ、
予想を上回る金額で落札されて
自治体がホクホクだ
・・・という記事を読んだ。

これまで差し押さえの公売といえば、
一応情報は開示されていたのかもしれないが、
事実上はその筋のプロだけが知るもの
・・・だったように思う。

その筋のプロの人たちは、
いわば公売に仕入れに来ているわけで、
消費者の手に届く時には
当然マージンがのせられることになる。

知人の不動産屋からも、
かつては競売物件をずい分買って
儲けた、なんて話を聞いたことがある。

いわく・・・
こんなに安くていいのかと思うほど
安い仕入れができて、高く売れた。

土地の価格などは
公的には路線価というもので決められるが、
実際の売買価格とは異なり、
一般に売買価格の方がはるかに高い。

役所の基準と世間の基準は、
かくも大きく異なる。

その差益を得て商売をする人がいることは
当然だとは思うが・・・
自治体自体が大赤字を抱えている今、
そこに利益を落としている場合ではないことも確か。

いわゆる業務用の製品というものがあるけど、
一般消費者向け製品とは違って
店頭で販売されていない分、
価格が崩れることがなく、
通常は業界内で
かなりのマージンが落ちる仕組みになっている。

しかし・・・
ネット販売となると、直売は当たり前。
右から左という商売だけをしている人たちにとっては、
かなり厳しいご時世となることだろう。

利権で儲けるのではなく、
付加価値がなければ儲けられない。

もっとも、それが・・・商売の基本だたろう。

最先端のITが浸透すればするほど、
商売が基本に返るというのは、
考えようによっては皮肉な話だ、ね。