Episode No.2550(20061024)
止まって考えない

プロ素人の違いについて、
ここでも何度か話題にとりあげていて、
いろんな切り口から
自分なりに考察しているんだけど・・・

まず、自分が納得しようとする
・・・のが、実は素人で、
他人を納得させる
・・・のがプロだと言えるんじゃないかな。

自分が納得していないものを
他人に納得させられるわけがない。

そう考えれば、
これはおかしな発想なのだが・・・

自分が納得することに終始してしまい、
肝心な仕事を進めるということが、
いつしか目的から消えてしまっている
・・・ということが素人には起きやすい。

一方プロの場合には・・・
もちろんプロ中のプロとなれば、
まず物事を理解・納得することが
ズバ抜けて早いから、
まったく納得せずに進めることもないだろうけど、
たとえ自分では納得できていなくても、
仕事を進めるという目的からブレがないので、
自分を捨ててでも仕事を進行させることができる。

仮に充分な理解ができなくて、
相手に伝えることが難しいようであれば、
その道の専門家を同行させれば済むことなのだ。

つまり・・・
プロというものは、
自分に何ができて、何ができないのか
よく知っている。

自分ですべてを納得して、
すべてができるような錯覚に陥るのが
・・・素人なのだ。

目の前で赤ん坊が泣いているとする。

普段、赤ん坊に接していない素人の父親は、
なぜ泣いているのかを賢明に考える。

だが、普段赤ん坊に接しているプロの母親は、
呆然と赤ん坊を見ている父親を押しのけ、
まず抱きかかえる。

その瞬間、
オシメが重くなっているのに気づいたり、
熱が出ていることを感じたりする。

あとはボーッとしている父親に
オシメを取ってこいと命令するのだ。

考え、理解し、充分な納得が得られるまで、
何もしないでいるなんて・・・
実は利口ぶった愚か者のすることなんだ。