Episode No.1027(20011210):できない理由

こんなことを言う奴がよくいる。

この仕事は、そもそもスタートの時点から間違ってる。
最初から、こうすべきだったんだ。

かく言う私も似たようなことは、よく口にするが・・・
この手の話をする時に、注意していることがある。

それは・・・
発言を決してそこで止めない、ということだ。

そこまで言うのなら、その先どうすればいいのか
その対策について、より多く発言できなければ、ただの評論家

それ故、実務担当者からこのような発言が出て
しかも、そこで話が終わると・・・何ともガッカリしてしまう。

で? どうしたらいいと思う?
こう尋ねたところで、そこで話の終わる奴の意見は決まって
こうしたいけど、こういう理由でできない、という程度のことだ。

仕事の問題点は最初からわかっている。
だからミーティングをしているわけで、
打開策を持ち寄れない、できない理由わ並べ立てるだけの話し合いなら
わざわざやる必要はない。

できない理由は百も承知。
金の問題、時間の問題、そして人の問題・・・
そこをどうするかが・・・本当の仕事なんだ。

新しい企画が通らない土壌があるとしたら・・・
その土壌から手をつけなければならないのが仕事

L・E・J・ブラウワーというシェルの社長経験者は、
こんなことを言っている・・・

「石油は、最も必要とされるところで産出するわけでもないし、
 石油生産地で石油を最も必要としているわけでもない」

つまり、ないところにあるところから持ってくるのがビジネス。
最初から、その場所に対策がないのは・・・当たり前の話だ。

できない理由を並べる奴は、
自分の能力の無さをアピールしているようなもの。
知恵を運んでくる場所がないんだから。

発言を求められて困るような会議には出席しないとこだ。
それが許されない立場なら・・・せめて勉強しておかないと。

誰も評論家としては、あなたを呼んではいないだろう。
まして実績もないほどの者にはね。


参考資料:「世界を動かした名言」J・B・シンプソン=編 野末陳平/隈部まち子=訳 講談社=刊