Episode No.1418(20030311)
ぼた餅、カビてない?

贅沢を叶える技術を使うためには
・・・がいる。
他人の技術を使わせてもらうわけだからね。

だから、金=幸せと感じがちなんだろうな。

でも、贅沢=幸せかといえば
・・・決してそうではない。
居心地の悪い贅沢ほど、
不幸せなものはない。

一度贅沢を経験すると
なかなか普通では満足できなくなる。

最もそれは単なる“慣れ”の問題で
ステーキと、卵をかけただけのご飯の
どちらが美味いかと言えば・・・
腹が減ってる時に食ったものの方が美味いのである。

「幸福とは幸福をさがすことである。

 ---私はこのルナアルの言葉を、
 高等学校の便所の落書の中で発見したのだ。
 私はこの大きな真理を何べんもよみながら、
 目にしみるような窓の青空に目をやった。
 人と人に出会いがあるように、
 人と言葉とのあいだにも、
 ふしぎな出会いがあるものだなあ、
 と思いながら」・・・寺山修司

棚からぼた餅の幸福などない。
そんなものをつかもうとすれば
永遠に棚の下で暮らすか・・・
落ちてきたぼた餅をつかもうと
手を伸ばした瞬間、
突き指するのが関の山だ。

人や言葉との出会いは
ある意味、棚からぼた餅かもしれない。
しかし・・・
そのぼた餅で満腹感を得ようと思ったら
自ら、それを抱えて餅の焼ける場所まで行き、
火をおこさなければならないよ、ね。


参考資料:「ポケットに名言を」寺山修司=著 角川文庫=刊