Episode No.1380(20030125):
指揮者のいないオーケストラ
昨日はワーゲンの話をしたけど・・・
車といえば、GMに次ぐ世界第二位の自動車メーカー
フォード社が、今大規模な組織改革をしているらしい。
2002年、創業100周年を迎えたフォード社は
とても浮かれている状況ではなくなった。
創業以来、初めてシェアが20%を切ったのだ。
そこで組織の大改革に着手。
組織・・・と簡単に言ってもハンパじゃない。
なんせフォード社の従業員は35万人もいるんだから。
組織改革のポイントは・・・
ピラミッドをひっくり返すこと。
これまでトップダウンで行っていた仕事を
まったく逆にしようと言うのだ。
トップダウン型組織には、
それなりにいいところもあった。
それがあったからこそ大量生産が可能になった。
しかし・・・
ニーズが多様化し、競争が激化する時代、
この大量生産向けのビラミッド型組織は適さない。
工場の従業員ひとり一人が
それまでは考えもしなかった客のニーズを把握し
変更の必要性を管理職やトップに進言する。
管理職やトップは命令を出すのが仕事ではなくなり、
現場からの情報を整理して
その実現のためにバックアップするのが仕事になる。
こうした背景には、
近年の情報革命が大きく影響している。
かつて、情報は一握りの人間が持ち、
その人間の命令で、その他大勢が動いていたが・・・
今や情報は誰でも出にすることができる時代となった。
同じような組織改革は軍隊にも導入されているようだ。
最前線の兵士は、いちいち司令部の指示を待たずに
与えられている情報から自分で判断し、任務を果たす。
刻一刻と変わっていく状況の中で
指示を待つことは・・・死につながりかねない。
巨大組織においても・・・
もはや個人の判断が最優先される時代。
言われたことだけやっていたら
・・・もう食っていけない、ね。