Episode No.1161(20020515):出し惜しみしない

ご承知の通り、私は宗教家ではない。
宗教家ではないが・・・
人を救う仕事こそが尊い仕事だと思っている。

救われたい人たちが集まる宗教そのものも尊い仕事なら
ユーザーのニーズに応えて製品を作る企業の仕事も尊い仕事。
もちろん・・・
大勢の従業員とその家族に衣食住を与えること自体、
尊い仕事だと思う。

そういう意味で、職業に格差など存在しない。

救われた人が救った人に金を出すような場合は・・・
大勢を救った人が自然に金持ちになるだけの話。

でも、救おうという気持ちのある人は・・・
相手の笑顔だけでも充分と思える人だろうけど、ね。

金は貯めるより使う方が面白い。

それも、自分ひとりのために使うより
誰かのために、大勢のために使えたら
もっと面白い。

だから、たくさん金を集めて
たくさん配り歩きたい。

自分で商売をやっていると・・・
それがどこまでできるかで・・・
自分の存在価値が決まるような気さえする。

もちろん、金だけで人は救われない。

だからこそ・・・
金で解決できる程度のことは、
金で解決してしまえばいいと思う。

こんな気持ちを持っているんだから・・・
やっぱり、宗教家は無理だな。

別に宗教家になりたいとも思わないけれど、
金はたくさん稼ぎたいとは真剣に思うもん、な。
実際、いつも金策には困っているし・・・。

「耳ある者は聞くべし。
 金ある者は使うべし」・・・ゲーテ

みんなが使ってくれたら、私も困らずに済む。


参考資料:「ゲーテ格言集」高橋健二=訳 新潮社=刊