Episode No.1109(20020315):向き、不向き・・・を語る前に

どんな時代であろうと・・・
どんな立場にあろうと・・・
うまくやってる人と、そうでない人がいるよね。

羽振りのいい人・・・
金や人を集めるのが得意な人には誰もが憧れを抱く。
とくに・・・男の人は、そうだろうな。

その金が・・・
その人が稼いだ金ではなくて
税金だったりするとかなり問題があるんだけれど。

うまくいかない人は、たいてい
うまくやってる人の真似をしようとする。
ただ・・・
良く見える部分しか真似しようとしない場合が多いんじゃないかな?

地味にコツコツやってる部分・・・
優雅に泳ぐ白鳥の水面下でバタついている足なんか見ようともしないで。

気を遣われるような偉い人になりたければ
人一倍、気を遣わないとね。

それができないクセに
楽な部分やカッコイイところだけ真似ても
人や金なんか集まるわけはない。

うまくいかなかったことを
「向き、不向き」に置き換えて
自己弁護していては・・・自分は何にも向かなくなっちゃう。

自分が何かをやる・・・ということは
多かれ少なかれ、世の中の流れを変えることだ。
いつまでながめていても・・・
流れは自然に自分の思う方向になんか変わってくれない。

一本の川が流れていたとする。
その流れを変えようと思ったら・・・どうするか?

川幅や川の深さを計って、計画を練る。
大きな川なら、協力者も募らなければならないし
大がかりな工作機械も必要。
場合によっては役所の許可もいる。

現在の流れを変えようとする時、
反対者はいても、
無条件に賛成して手伝ってくれる人は少ないだろう。

たとえ小さな川であっても・・・
つねに水が流れ続けているところに
別な流れを作り出すのは大変だ。

大変だ・・・と思ってばかりいて
腕組みをして見ていても流れは変わらない。
自然の変化はあるだろうけど
おそらく自分が生きているうちに大きく変わることはない。

気の遠くなるような作業でも・・・
自分の力で一つずつ河原の石を運んでいけば
やがては川のカタチが変わっていく。

その姿を見て・・・
誰かが手伝ってくれるようになるかも知れないし
スコップくらい貸してくれるかも知れない。

でも・・・
ながめてタメ息をついているだけでは
いったいその人が何をしたいのか
ただ休んでいるようにしか・・・周囲には見えないよね。

まず、自分の力で河原の石を持ち上げる。
そういう地味なところから・・・
すべてがはじまるんだと思うよ。

川の流れを変えることができる人は・・・
協力者が工作機械を持っていたからできたんじゃなくて
協力者が工作機械を用意する能力があったからできたんだ。

誰にでもできる条件が
あらかじめそろっていたなら・・・
本人の能力なんていらないもん、な。


参考資料:何をやっても思うこと