Episode No.1041(20011226):あなたの役割は?

「父が我が家の頭脳なら、
 母は我が家の心臓だった」

『わが谷は緑なりき』という映画に登場するセリフだ。

物事を真理を何かに例えて言葉にする・・・
そういう格言は、奥が深いが、わかりやすい。

何かに迷ったら、新しい何かを発見することが大切だが・・・
その新しい何かというのは、
たいてい自分の身近に最初からあって
自分がその機能に気づいていないだけのこと。

例えば冒頭のセリフに出てくる、頭脳と心臓。
誰もが持っているはずなのに
あまりに当たり前すぎて、その役割について
医者でもない限り、あらためて考えようとはしないもんだ。

健康な肉体のバランスを知れば・・・
健全な人間関係のバランスだって理解できるだろう。

その集団や組織の中で・・・
自分が担っている、あるいはと望まれているのは
頭脳となることなのか、心臓となることなのか
はたまた、手足となることなのか・・・

大きな組織なら、いくつもの頭脳や心臓が必要だろうが
小さな組織の中に頭脳や心臓がたくさんあっても
健康とはと言えないし・・・
もちろん手足ばかりでも先へは進めない。

たった2人の間でさえ
同じなら、一緒に行動することは困難だろう。

お互い、違うから・・・お互いが必要なんだ。

厄介なのは・・・
自分は頭脳のつもりでいたも
組織が自分に頭脳たらんことを望んでいない場合。

そんな時には・・・
従来の頭脳をうち負かすだけの頭脳を認めさせるか
別に、頭脳を必要とする組織を探すより手はない。

最も・・・
まず望まれた役割をこなせないようでは
たいした頭脳とは言えないと思うけど、ね。


参考資料:「映画のクオート事典」ハリー・ホーン=編著 高橋千尋・袴塚紀子=訳 フィルムアート社=刊