Episode No.1105(20020311):すがっていては生きられない

昔、某三流大学の学生だった頃
そこの教授が講義でこんな話をしていた。

「これからコンピュータが
 いろんな仕事場に入ってくるようになると
 労働者は強制的に
 ホワイトカラーとブルーカラーの両極端に
 押しやられていくことになる。

 電子計算機が入ってきて
 10人必要だった経理の仕事が
 2〜3人でできるようになると
 あとの7〜8人は、
 これまで通りの仕事を続けることができない」

今から20年近く前に聞いた話だ。
・・・確実に、そうなってるよね。

技術の発展というのは、単純に言えば
大変な仕事を大変じゃなくするためのもの。

大変な仕事・・・というのは
つまり、人手がかかる仕事だ。

だから・・・
技術が発展すれば人手はいらなくなる。

新しい技術が開発されると、
つねに喜べる人と喜べない人が出てくる。

風が吹いて、すがすがしいと思う人と
寒いと思う人がいるのと・・・同じだな。

馬車が発明されるとカゴ屋は必要なくなる。
車が走るようになると馬車はいらなくなる。

一見こんなことの繰り返しなのだが・・・

かつての技術は
人間に出せない力やスピードを出すことが
コンセプトだった。

ところが・・・
昨今のコンピュータ技術開発は
人間がやっていた仕事を
機械に置き換えることがコンセプトだ。

その教授は最後に
三流大学の学生たちを励ますために
こんな言葉で講義をしめくくった。

「どこを出たかじゃない何ができるかだ」

社会に出れば・・・
どこに属してるかじゃない、何ができるか?
それがないと・・・先は見えてる。

機械やシステムに置き換えられてしまう
その程度の能力しか持ち合わせていないと・・・
働ける場所は機械やシステムを持てない程度の会社。

うちには設備やシステムがないから
仕事がうまくいかない・・・と、グチを言う人は多いけど
そんなものができたら・・・真っ先に困るのは自分、
なんてことになる人も少なくないと思うよ。


参考資料:W教授・・・元気かなぁ