Episode No.1107(20020313):ひとり一人が専門店
携帯電話やインターネットの技術革新は
個人の力を組織と並べるくらい大きなものにしようとしている。
うちみたいな小さなサイトだって・・・
クリックひとつで
次のページに首相官邸やホワイトハウスを見ることだって出来る。
でもそれは同時に・・・
個人が集団や組織の中に埋没することを許さない
ということでもある。
これまで集団や組織のしがらみで
埋没することを余儀なくされていた志のある個人にとっては、
いい時代になってきたと考えられるが・・・
集団や組織に埋没することで
どうにか生きてこられた人たちにとっては、つらい時代の到来だ。
個性なんて誰にでもあるはずだけど・・・
中には会社の肩書きが個性になってる人もいる。
少し前の話になるけど・・・
ニュースステーションでリストラ問題をテーマに
ゲストたちが討論をするという内容があった。
でも・・・
そこに登場している人たちは
久米宏をはじめ、テリー伊藤だって、経済評論家だって
みんな基本的にフリーで仕事をしている人たち。
リストラに対抗して生きていくための
さまざまな方法について論議されていたけれど
結論は・・・
「私たちは昔から、そうでしたよ」ってことだった。
ついこの間、ある経済番組で
高齢者の再雇用についてのレポートがあった。
年をとっても生き生きと仕事をしている人たちを紹介して
元気の秘密を探ろう、という感じの番組だった。
「高齢者社会は、高齢者が生き生き働く社会」
という言葉も出てきた。
確かに体さえ丈夫なら、年齢制限で仕事を辞める必要はないと思う。
豊富な知識や経験をもっと仕事に活かしてほしい
と考える組織も少なくないだろう。
ただし・・・
そこには、やはり経験だけでなく、豊富な知識が必須条件。
年をとったから自然にできるようになることは非常に少ない。
むしろ、できなくなることの方が多いのが現実。
再雇用で生き生き仕事をこなしている人は・・・
みんな、一般の人にはない専門的な知識や
新しいものを修得しようとする努力があるから。
かつて、フリーの仕事というのは
憧れの対象だったり、組織になじめない人たちの生き方だったが
これからは・・・
フリーでも生きていけるくらいの知識とノウハウがないと
集団や組織にいても存在理由を問われる・・・
そんな時代だよ、ね。