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Episode No.069:無駄な抵抗

今や仕事に遊びに、なくてはならないのが、このパソコン。

こうして、たった今書き上げた原稿を次の瞬間、世界中の人々に見せることができるのも自宅にいながらネットワークに接続できるパソコンのお陰だ。

しかし、新しい道具の登場は、これまであった道具や仕事を不要にしてしまうという現象も同時に引き起こす。

1829年。フランス人、バーセラミー・シモニエは、当初、自分が使う目的である機械を開発した。

2年後、その機械の便利さが知られるようになり、大工場からもその機械の大量注文がシモニエの元に舞い込んた。これは、億万長者になれるかもしれない・・・彼は、そう思ったに違いない。

ところが、いざ納品の段階となって、シモニエは思いもかけない妨害に合うことになる。

職を奪われることを恐れた従業員たちが大挙して、納品してきたシモニエの機械をかたっぱしから壊してしまったのだ。何とか難を逃れたのは、彼が体をはって守った一台だけだった。

さらに14年後。機械の販売を半ばあきらめかけていたシモニエの元に、前とは別の大手工場から機械の注文が来た。
ところが、その時も前回同様に従業員の妨害に合い、結局、シモニエの機械は日の目を見ることはなかった。

その後、シモニエの機械と同じ用途を持つ機械が、広く使われるようになったのは、シモニエが機械の販売をあきらめた5年後の1850年。

アイザック・シンガーが開発したこの機械"ミシン"は、まず家庭用として販売され大ヒット商品となった。

シモニエの職業は洋服の仕立屋。シモニエ自身も、この機械を家庭用に販売してしまったのでは、自分の仕事がなくなると考えていたのかもしれない。

さて、インターネットを通じて、このdigitakeをお読みいただいている皆さんの中にはいらっしゃらないでしょうが・・・。
あなたの職場や身の回りに、パソコンを壊そうとしている人はいませんか?


参考文献:「なんでも第一号!」びっくりデータ情報部=編 青春出版社=刊

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