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自分の持つ長所を確信することである。
確固たる思想を飽くまでも維持することである。
訓練式タイプ型のみに憧れず、何人も持つ自分自身の長所を顧みて、
それに磨きをかける人の多からんことを切に希望する。

阪急鉄道の創始者にして宝塚歌劇団の父。駅ビルから建売住宅、電車の中吊り広告まで・・・現代では"当たり前"とされているあらゆるシステムを考案し、全国高校野球大会まで企画した企業家・小林一三の言葉である。

正直なところ、小林自身は自分が企業家になるなどとは夢にも思っていなかったという。学生時代から小説家を目指していた彼は、銀行勤めをはじめてからも出世などには目もくれず、ひたすら観劇をし、自作の小説の構想を練っていた。

その後、有能な先輩に見いだされ小林は企業家としての道を歩み出すことになるのだが、それまで小説のためにつちかってきた、従来の事業家にはない奇抜で既成概念にとらわれない発想が商売を超え、新しい時代を切り開いたと言っても過言ではない。

そんな小林一三の血を受けて、周囲の状況に流されることなく自分の持つ長所を伸ばし、それを世界に認めさせた男がいる。

小林一三の孫、テニスプレーヤー・松岡修造である。


参考文献:「小説・小林一三」咲村 観=著 読売新聞社=刊
     「小林一三経営語録」中内 功=編 ダイヤモンド社=刊

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