Episode No.1009(20011119):小さな約束という小石

「また、来週にでもご連絡します」
・・・そう言ったきり、連絡が来なくなる人って多いよね。

私も似たようなことをしてしまったコトは限りなくあるから
その心理はわからないでもない。

連絡をすると約束をしていた週・・・
ウッカリということはもちろんあるし
何か突発的な出来事があって本当に連絡がつかない場合だってある。

本当のことを言えば・・・未来のことなど誰もわからない。
でも、そう言っていたのでは何ひとつ約束はできなくなってしまう。

たいていの場合・・・
本当に連絡がとれないような状況があったとしたら
その次の週にちゃんと連絡はできるもんだ。
大義名分があるから臆することなく話そうと思える。
かえって、その理由のおかげて話がはずむことも少なくない。

ところが・・・
たいした理由もないのに約束を破った場合は、ものすごく連絡しづらくなる。
嘘をつくのも気が引けるし・・・
かと言って、何となく連絡する気になれなかった、なんて言ったら
人間関係にヒビが入る。

そうこうしているうちに・・・容赦なく時間が経って
ついには、とやかく言われるくらいなら連絡をしない方がマシ
・・・なんてことになる。

人間関係が悪くなるのを恐れて、連絡しづらくなっていたはずなのに・・・
人間関係そのものをなくしてしまうなんて・・・何とも本末転倒な話だ。

しかし・・・追い込まれた人間の弱さがそこにある。

どうってコトない用事ほど、早く済ませるに限る。
本当にどうってコトないのなら・・・いつまでも持ち続けているべきではない。

だけど、多くの人たちは・・・
大きな岩にぶつかるのを恐れてよけるのに
小さな石につまずいてしまう。

大きな岩はかぞえるほどしかないが・・・足下を見れば無数にあるのが小石。

どんなに軽い荷物でも・・・
持ち続ければ重く感じるようになることを知るべきだと思う。

「迷誤へいたる道は無数にある。
 だが、真理へいたる道はただ一筋だ」・・・ルソー

さぁ、そんなモン・・・さっさと片づけてしまえ。


参考資料:「格言の花束」堀 秀彦=編 現代教養文庫=刊