THE THEATER OF DIGITAKE

創作ノオト Vol.2


創作ノオト(19990905)

ドラマって何だろう?

「人々に感動を与えるもの」とかっていう観念的な話じゃなくて、技法的な意味合いにおいて、それは「変化を描くモノ」だ・・・と何かの本で教わった覚えがある。

例えば、最初と最後のシーンで主人公は同じ景色を見ているんだけど、その間にあった或るエピソードのおかげで、最初に見た時と次に見た時とでは印象が変わる・・・といった。

或るエピソードを通して、主人公は今まで感じなかったコトを感じられるようになる。イイにつけ悪いにつけ。まぁ何かを発見するワケだ。
読者は主人公といっしょに、その何かを発見することに喜びを感じる・・・はず。

主人公が発見したモノが見当違いなモノであったら、それは皮肉なドラマとなる。
ここで発表した『100円ライター』『ハルヲの決心』が、その部類に入るだろう。

主人公が発見したモノが読者の共感を得れば、それは感動につながる・・・かもしれない。

正直、言って短いドラマを書こうとすると、皮肉めいたモノの方がはるかに書きやすい。
そういう題材は、日常のあちこちに転がっているし・・・。

最近、そういうモノばかり書いていたら、或る友人に
「たまにはハッピーエンドの話も書いてよ。松竹系も好きだろう? オマエは喪黒福造か?!」
と言われた。

確かに自称"勇気の出るページ"としては、皮肉ばかりも書いていられない。
そこで、今回はハッピーエンドのドラマに挑戦してみようと思う。

一応、構想がまとまりかけた時点で、今コレを書いている。
主人公は珍しくモテる男だ。

これまでの経験上、書き手が主人公に感情移入しようとすると、どうしても二枚目にはできなかったのだが、これもある意味では挑戦。
リアリティの欠如が、やや心配されるが・・・。

あと、より映画っぽさを意識して、今回は特別にオリジナル・エンディングテーマ曲をつけてみた。

楽器はフォークギターで決まった曲("東へ西へ"とか"22歳の別れ"とか)を弾ける程度だが、音楽は好きだ。
イイ悪いは別にしてメロディが浮かぶコトもある。

その鼻歌にしかならなかったモノを1本指で時間をかけてMIDI入力した曲を最後のページに入れてみた。
実を言うと、これはもう5年くらい前に作ったデータなんだけど、今回のハナシ『彼女のハンカチ』には、ちょっと合いそうだったんで・・・。

お読みいただいた最後に聴いていただければ幸いだ。


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