Episode No.932(20010821):愛と仕事

『天使』というタイトルの映画に、こんなセリフが出てくるらしい。

「女の行動に理由なんかないわ。
 男は理由を求めて恋を失うのよ」

映画の内容も、このセリフが使われるシチュエーションもわからないが・・・
この言葉の意味するところはわかる。

理由のない思考、行動は、どこから来るのか・・・と言えば、やっぱり本能
つまり、女性は男性に比べて本能の力が強い。
だから、子供が産めるんだろうけど、ね。

逆を言えば・・・
女性は男性に比べて、本能をおさえる力が弱いから・・・
男社会の中で地位を築くのが難しいのかな。

仕事って・・・理由説明の連続だもんねぇ。

よほどの業績がある人か・・・
自分の金を好きにつかってやる作業でない限り
本能だの、勘だの、じゃあ企画は通らない。

本当は、そうでも・・・もっともらしい理由がないと
大勢の人間を動かすことはできない・・・それが社会の仕組みだ。

それは社会が間違っている・・・と声を荒げたところで
負け犬の遠吠えと一笑に付されるのが関の山。

いちいち説明をしなくても、ついてきてくれる人がいたとしたら・・・
それは「」や「情」があるから・・・友情とか、ね。

ドラマなんかでノーギャラ参加の人を「友情出演」とか言うけれど・・・
普通の仕事でも実際のところ「友情参加」してもらっている場合は多分にある。

もちろん「愛」や「情」を感じるには、間接的な別の「理由」が存在しているからだろうけど。

仕事はドライに切り抜けた方が合理的ではある。
だけど、人間同士が信頼に基づいてやっている以上、
それだけでは何かモノ足りない気がするのも事実だ。

今やっている仕事が「大義名分」だけで進んでいるのか
それとも「愛」や「情」を含めて行われているのかは・・・失敗した時にわかる。

金の切れ目が縁の切れ目になるかどうか・・・ということもあるし
私の経験から言えば・・・怒られ方が違う。

ただ、単純に怒鳴られるか、もしくはアッサリとあしらわれる時・・・「愛」や「情」はない。
自分が本気で「愛」や「情」をそそいでいる仕事で
それを相手も感じてくれていた時には・・・失敗してもかえって励まされることがある。

「愛」や「情」をそそぐ仕事に「ここまででいい」ということはないから
よほど好きでないとできないけれど・・・
好きになるという「本能」を自分で刺激するのも・・・技術や鍛錬のうち、かな。


参考資料:「心を強くする名言」童門冬二=監修 成美文庫=刊