Episode No.892(20010705):つまらない人

ある時期・・・
家族や友達をはじめ、
会う人、見る人が、みんなつまらない人間に思える時がある。

しかし、振り返ってみると・・・
そういう時の自分自身が、実は一番つまらない人間だったりする。

かつて、ニューヨークの社交界で注目を集めた美貌のクラブ経営者、
シドニー・B・バローズは、こんなことを言っている。

「こちらがレディらしく振るまえば
 相手も紳士のように振るまってくれます」

類は友を呼ぶ・・・と言うけれど
確かに・・・
例えば自分にパソコンの知識がないのに
パソコンの話ばかりしている連中の中には居づらいもの。

そんな時には・・・
知識のない自分を卑下するか・・・逆に相手をバカにしてしまう。
「ちょっと知識があるからって、いい気になりやがって」なんてね。

本当は自分もみんなと一緒に楽しくやりたいのに・・・。

楽しくやる方法は・・・実は2つあると思う。

ひとつは、自分なりにその知識を高めて仲間入りをする。
だけど、パソコンに限らず、スポーツの話題でも何でも・・・
いきなり、マニアと同じレベルになれるわけはないし
せっかく得た知識が、その時、役に立つかどうかわからない。

もし、このひとつ目の方法を実践している人がいたら
その努力は認めるけど・・・
そのやり方をしていたのでは、その話題の仲間にしか入れない。

そこで、ふたつ目の方法・・・わからないことは素直に聞けばいい。

当然の話のようだが、これがなかなか思うようにはできない。
「変な質問なんかしたらバカにされるんじゃないか」って、つい思っちゃうし。

聞き方にもコツがある。
漠然とした質問には誰しも答えにくいし、
それこそヘタをすると、それまで以上に難しい話をされてパニックになりかねない。

自分を含めて、できるだけ誰でも知っていることに例えて質問するのが有効だ。
例えば、パソコンの部品について質問するとしたら・・・
「それって、人間の体で言うと、どの部分?」ってな具合に。

あるいは、自分が知っている分野の話に置き換えて質問することができれば
それも、いいかも知れない。
そうこうしているうちに、話の流れは、すっかりこっちのペースになってる
・・・という場合もある。

とにかく、自分の中にどじ籠もることだけは避けないと・・・
せっかく目の前に自分とは違う人がいる時には、ね。


参考資料:「世界を動かした名言」J・B・シンプソン=編 野末陳平/隈部まち子=訳 講談社=刊