Episode No.889(20010702):捨てていいもの、悪いもの

「われわれはたいてい、
 必要でないものを必要と思いこんで
 ものをたくさん持ちすぎている。
 一度、思い切って、すべてを捨ててみるがよい。
 するとはじめて、
 何が自分にとってほんとうに必要であるかが、わかるであろう」

・・・というアンドーエフの言葉は、まるで私に言われてるみたい。

自宅の仕事場でも事務所でも・・・
まるでガラクタに埋まりながら、キーボード打ってる感じだからね。
突然、ヨーダは声かけてくるし。

迷ったら一度すべてを捨ててみる・・・というのは確かに大切なことだと思う。

事実、迷いだらけの人生を歩む私が・・・
こうして毎日、何かを書いているのも
実は頭の中にあるものを一旦、捨てているようなもの。

漠然とした思いも、こうして半ば強引にカタチにして押し出してみると
案外、整理がついてきたりする。

最近は、このトップページもすっかり日記のようになってしまったけれど・・・
何の予備知識も持たない第三者が読んでもわかるモノにはしたいとは思っているし
せっかく読んでもらうんだったら、ウンチクのひとつも織り込もうとは心がけているので
なおのこと整理をしないと成り立たない。

で、今日のウンチク・・・
今から51年前の昭和25=1950年7月2日、
京都で大事件が起こった。

金閣炎上。

原因は学生僧による放火で、
私が修学旅行の時に見た金閣は、昭和30年に復元されたものだ。

三島由紀夫の小説のモチーフにもなった話だけど・・・
おそらく犯人の学生僧にとって、金閣は自分を呪縛する象徴だったんだろうな。

しかし・・・
自分のモノでなかったり、自分の考えだけでは動かすことのできない他人を
簡単にリセットしようなんてのは、やっぱりワガママな話。

本来、自分の人生だってリセットはきかない。
失敗をとりもどすためには、それ以上の成功をするしかないわけで・・・
失敗しなかったことにはできない。

最も私の身の回りにあるガラクタは、
みんな私が勝手に集めたモノだから・・・捨てようと思えば捨てられるし
捨てればカミさんは喜ぶだろう、な。

でも、片づけたそばから、また増えていっちゃうんだけど・・・ね。


参考資料:「生きるヒント一日一話」櫻木健古=著 三笠書房=刊
     「歴史の意外なネタ366日」中江克己=著 PHP文庫=刊