Episode No.848(20010515):守ってる? 守られてる?
ここ数日、関東地方は7月上旬並みの暑さ・・・
沖縄では、梅雨入りしているというのに、いっきに夏状態ですな。
今日、5月15日は・・・沖縄の本土復帰記念日。
1971年6月17日に東京-ワシントン間で沖縄返還協定が宇宙中継によって結ばれ・・・
翌年の5月15日に「沖縄県」が発足した。
返還協定締結から、ちょうど30年だから・・・
来年は、本土復帰30周年になる。
沖縄へは2度ほど行ったコトがあるんだけど・・・
うち1回が、オリオンビールの取材だった。
私が訪ねた時は、工場を建て替えて、そう時間も経っていない頃だったと思う。
住宅の建て替えですら、引っ越しの繰り返しやら何やらで大変なのに・・・
工場を建て替えるのは至難の業。
まして、オリオンビールの場合には工場を稼働させたままやったというのだから驚いた。
本土のビールメーカーからも、その奇跡を見学しに、ずいぶん訪ねてきたらしい。
もちろん、規模の問題はある。
でも、オリオンビールだって、全国メーカーの一工場分くらいはあるワケだし・・・
稼働サイクルを微妙にシフトさせながら、工夫を凝らしてそれを見事にやり遂げた。
できない理由は放っておけば、いくらでもある。
しかし、オリオンビールにとって新しい生産工場を拡充できなければ・・・
やがては本土から入ってくる大手メーカーの製品や駆逐されてしまうという危惧もあっただろう。
長い間、自社製品が生き残ってこられたのは・・・
本土の大手メーカーが容易に入ってこられなかったという、占領下の特殊事情があったからだ。
そんな現実的な認識をオリオンビールは持っていた。
時にはノンビリしたいコトも人間なら当然あるけれど・・・
現実の認識をゆがめてノンビリしてしまうと・・・後で大きなツケがまわってくる。
いくら若いつもりでいても・・・
30代は30代、40代は40代だし。
年相応に世間を見る目を持っていたり、気の配り方を知っていないと・・・
その先の個性なんて誰も認めてはくれない。
オリオンビールの軽やかな味わいは、まさに南国で飲むのにピッタリと来る個性。
しかし、沖縄でオリオンビールが飲める最大の理由は・・・
味だけでなく、どの店でも手に入るくらいの生産量をキッチリ確保しているからだ。
正しいだけで勝てるなら・・・誰も苦労しないよ、ね。