Episode No.819(20010411):人生、獅子脅し

「大きなことではなく
 小さなものの積み重ねが
 何かの拍子に爆発したのがトラブルだ」

と、言ったのは本田宗一郎

考えてみると・・・
トラブルはもちろんそうだし、成功とか大きな喜びだって・・・そうだよね。

少しずつ何かが積み重ねられて・・・いきなり大きく動く。

ポタポタ、チョロチョロと流れる水をいっぱいに溜めた竹の筒が・・・
いきなりガタッと動いて、カターンと大きな音を立てる・・・獅子脅しのように、ね。

売れる製品のライフサイクルもそうだ。
少しずつ売れてきて、ある日爆発的にヒットする。
少しずつ大ヒット・・・なんてのはなくて、なる時はいきなり。

身の回りで一番そういうコトを感じるのが・・・借金

いきなり大きな金額は絶対に貸してもらえないから・・・
借金というものは少しずつしかできないモンだけど・・・
ふと、気づくと宝クジでも当たらないと、いっぺんには返せない金額になってる。
でも、いきなりその金額をドーンと借りれたわけじゃワケじゃない。

たまったメールは一度に返信できないし、ね。

本当に知恵や技術がある人は・・・実は考えていない。
考えないと進めない大きな理由は2つ。

知恵や技術が足りなくて、次にどう進めばいいのかわからないか・・・
自分が楽をできる方に現状をネジまげて解釈しようと必死に考えているか。

何かを極めた人は、たとえその分野のことを知らなくても進む。
何事を進んでみないと、どうにもならないことを知っているからね。

何かひとつでもいいから・・・
やりコツコツとやり遂げるクセをつけられさえすれば・・・
たいていのことは、できるようになるんじゃないかな?!

最後に本田宗一郎の言葉をもうひとつ。

「石橋を叩くやつがあるか
 石橋だと思ったら
 叩かず、どんどん渡っちゃえばいい」

いつか脅かされるのがこわいなら・・・脅かす側にまわるしかない。


参考資料:「本田宗一郎語録」本田宗一郎研究会=編 小学館文庫=刊