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Episode No.658(20001005):日常生活こそ冒険

昨日に引き続き、今日も冒険野郎の記念日らしい。
今から64年前の1936年10月5日・・・日本人が初めてヒマラヤ登頂に成功した。

ヒマラヤ連峰ナンダ・コット、6,861mを征したのは立教大学登山隊。
日本人初の偉業が讃えられ、記念切手まで発行されたとか。

正直言って、生命の危険をおかしてまで山に登る人たちの気持ちも理解できない私だが・・・
「人間、やればできる」という勇気を人々に与えるコトができたとしたら・・・
それはそれで、いいのかも知れない、とは思うけど。

さて、こういう冒険らしい冒険ではないかも知れないが・・・
たいていの人がやる大冒険がある。

それは・・・結婚

「必ず幸せにしてみせます」・・・なんて
綿密な計算と特訓を積んだ命知らずの登山隊より、はるかに根拠のハッキリしないコトを言って挑む。

「とにかく結婚しなさい。
 幸せならいいし、不幸せでも哲学者になれる」

という言葉を言ったのは誰だか忘れたけれど・・・
まさに、その通りになった代表格といえば、かのエブラハム・リンカーンだ。

リンカーンの妻メアリーは、それはそのすごいヒステリーだったらしい。
夫が自分以外の女性と親しげに話しているところを見ただけで大声を上げて荒れ狂う。

リンカーンが大統領になってからも、それは変わらず・・・というか一層激しさを増すばかりで・・・
リンカーンは何度も公衆の面前で立場をなくしたが・・・おかげで忍耐強くなったという話も。

資産家の娘だったメアリーは、貧乏弁護士だったリンカーンと周囲の反対を押し切って結婚した。
それだけに夫が大統領になれたのは「自分のおかげ」という自負も大きかったようだ。
その証拠に「夫は何でも自分の忠告を頼りにしてる」と自慢げに言いふらしていたらしい。

ついには議会の人事にまで口にはさみ、夫の部下の悪口まで公言するようになった。
さすがのリンカーンも、これには嫌気がさして
「いっそ君が大統領をやってみるか?」と言ったとか。

そのクセ、いざという時には役に立たず・・・
息子がコレラで死んだ時には葬式にも出られないありさまで・・・
リンカーンが暗殺されると寝込んだきり、ひと月以上もオモテに出なかった。

母や妻としてのショックはわからないでもないが・・・およそファースト・レディとは、ほど遠い。

くわえてストレス発散のための浪費癖は、ものすごく・・・
大統領夫人になったとたん高価な洋服を買いまくったというから、まるでイメルダ状態。
夫の死後、借金がふくらんで、あわててそれを売り払ったが・・・
その後、アメリカに居づらくなって、ヨーロッパへ移住。
最後は息子に法廷で精神異常者と証言され、禁治産者として生涯を終えた。

いいトコのお嬢さんが、結婚で貧乏生活を強いられ・・・
大統領夫人になれば、一時はスパイと噂されたりして世間にいじめ抜かれ・・・しまいに気がふれた。

「人民の、人民による、人民のための政治」も・・・妻のためにはならなかったようだ。

「おまえ大統領の女房じゃなくてよかったな」と、うちで言ったところで・・・
「何でもいいからオシメ換えてよ」と言われるのが関の山、か。


参考資料:「今日は何の日」PHP研究所=刊
     「びっくり! 世界史 無用の雑学知識2」桐生 操=著 ワニ文庫=刊