Episode No.636(20000909):人生に溺れるな!
たまたまメシを食ってる時につけたテレビで面白い番組をやってると・・・
すごくトクした気分になる。
ドラマとかは途中から見ても内容がよくわからないんで・・・
チャンネルを合わすのは、もっぱらドキュメンタリー。
あいかわらず新聞をとっていないので、テレビ欄をチェックするコトは滅多にないし・・・
本当は、もっとイイ番組をたくさん見逃してるのかも知れないけれど・・・
昼間だったり、夜中だったり・・・不規則にテレビをつけているにもかかわらず
たまたまイイ番組に巡り会ったりすると「偶然」というより「必然」さえ感じてしまう。
あれは2〜3日前のNHK。
松平アナが司会をしている『その時』なんたら、とかいう番組を見た。
紹介されていたのは前畑秀子。
1936年のベルリン・オリンピックで金メダルをとった水泳の選手だ。
冒頭、いきなり「金をとれなければ死ぬ覚悟だった」なんてセリフが流れて・・・
こりゃ、シドニーに向かった選手団にはキツイなぁ、なんて思ったけど。
前畑の覚悟は、まさに命がけだった。
前畑は、ベルリン大会よりひとつ前のロサンゼルス大会に18歳で出場し・・・
すでに銀メダルを獲得していた。
両親に先立たれた前畑は家事手伝いのため、ロサンゼルス大会後、引退を決意。
好きでやっていたコトで銀メダルまでとれた自分を誉めたい気持ちでいっぱいだったが・・・
日本中から「どうして金メダルをとれなかったのか」とバッシングに遭い・・・4年後、ベルリンへ。
当時の日本には、まだ世界レベルの水泳選手を指導できるコーチはいなかった。
そこで前畑は、ベルリン大会までの間、自力で孤独な特訓をする。
1日に泳ぐ距離は実に2万メートル・・・早朝から深夜まで、ほとんど水の中の日々。
しかし、これが功を奏した。
水泳選手にとって、いかに長い時間、水に慣れるかというコトは大切なコトらしい。
無論、そんな科学的な根拠があって、前畑がそういった特訓をしていたワケではない・・・根性のみ。
最終的に劇的な勝利をおさめたから今なお語り継がれる名前になったが・・・
いくら根性があっても、両手に羽根をつけて空を飛ぼうとして・・・結局、飛べなかった人間は大勢いる。
どんなに科学的な根拠があろうが、マーケティングが行き届いていようが・・・
最終的には、最期の最期まであきらめない気迫がなければ、決して望みはかなわない。
でも、同じ失敗を繰り返していたのでは・・・結局、進歩はない。
挑戦に失敗はつきもの。
どんなにエライ人でも最初から成功する人はいないけれど・・・。
失敗の後・・・言い訳を考えるか、それとも、どうすればうまくいったかを考えるかで・・・
その後は大きく変わっていくんだろう、ね。