Episode No.594(20000722):君を忘れない 今年もアイツのコトについて書く日が来た。 1年前にもアイツのコトを書いた・・・今日はアイツの命日だ。 私の友人であるアイツが突然、死んでしまってから、今年でちょうど20年。 思い起こせば、いろんな「虫の知らせ」はあったけど・・・ 17、8の、それもスポーツ万能のアイツが死んでしまうなんて夢にも思わなかった。 あの時、誓ったように・・・ 果たしてこの20年間、私はアイツの分まで生きるコトができているだろうか? 死んでしまったヤツのコトをいつまでもクヨクヨと考えているつもりはない。 しかし、人生の出逢いの中には 「この人と出会わなかったら、自分はこうはならなかったろう」 と思える人が何人もいる。 ・・・間違いなく、アイツのそのひとり。 自分に持っていないモノを持っている人は魅力的に見える。 やがて自分が本気になって、その能力を身につけてしまうと・・・ 今まで刺激的だった相手にも、それほど興味は感じなくなってしまうコトもある。 けれど、そこに「友情」とか「愛情」とか・・・ 「情」が感じられてくるようになると、いっしょにいるだけで安心な関係になれる。 安心が「馴れ合い」だったり・・・一方的に「甘えている」だけだったりするコワさもあるけれど。 お互いに成長をし続けられる間柄でさえあれば、きっと長く付き合うコトができるだろう。 自分も含めて、今いっしょにいる人たちとだって・・・いつかは分かれる時が来る。 それを忘れちゃいけないと・・・アイツは言っているようだ。 「こうやって(思い出話を)話してみると、いくら話してもつきないね・・・。 まだ3分の1ぐらいだから、続きは東京でやりましょう」 これが、50年来の戦友・・・盛田昭夫に井深大が掛けた最期の言葉だった。 SONYを築き上げた先見の明に富むこの2人にさえ・・・別れは突然やってきた。 「若い時の友人もすばらしいが、老境に入ってからの友人は、なおすばらしい。 若い時には何でもそうだが、友人があるのは当たり前だと思っている。 老境に入れば、友人をもつことの深い意味がわかってくる」 〜エドヴァルド・グリーク 深い意味に気づいた時に、まわりに誰もいなかったら・・・気づくだけ残酷だよ、ね。 「ああ、あの時にこうしておけばよかった」なんて、できるだけ言わないですむように・・・。 思ったその時・・・今、はじめなければ手遅れだ。 そう自分に言い聞かせているうち・・・。 5つの思いつきのうち、3つくらいはできるようになった、よ。
参考資料:「井深 大・盛田昭夫/日本人への遺産」幼児開発協会=編 KKロングセラーズ=刊 「カーネギー名言集」ドロシー・カーネギー=編 神島 康=訳 創元社=刊
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