Episode No.562(20000615):自分の「何を」守りたい? プライド・・・持ってる? ここだけは人に譲れない・・・っていう部分。 大切だっだり、うっとおしかったり・・・けど、確実に自分の価値観が見えてくるところ。 歴史に名を残した人物には、もちろんそのあたりがハッキリとした人が多いよね。 だけど、中にはこんな変わったプライドを持った人物もいた。 負けず嫌いの彼は、学友に字のうまいヤツがいたので、必至になって字の練習をした。 しかし、いくら書いても、そいつには勝てない。 とうとう開き直った彼は、こんなコトを誓ってしまう・・・「もう一生、字は書かない」 現代ならワープロもパソコンもあるから、こんな馬鹿げた誓いを立てる必要はなかっただろうけど・・・。 どこまで本当かは、わかぬものの・・・彼は生涯、字を書かなかったという話。 彼の名は、大隈重信・・・そう、早稲田大学を築いた日本で最初の政党内閣の総理大臣だ。 今で言う大蔵大臣や外務大臣、総理大臣まで務めた人だから、名前を書く機会はたくさんあっただろう。 ただし、数多い著書も、すべて口述筆記によって作られたモノだとか。 当然、電子メールもない時代だから・・・。 字を書かない不便さは、さまざまな弊害を生んだに違いない。 けれど、逆にいい効果もあった。 それは、記憶力を高める特訓・・・メモをとらないから記憶に頼るしかないというワケ。 結果的に大隈重信は、抜群の記憶力の持ち主になれた。 本当は覚えておけるほどの、ほんの些細なコトも・・・。 メモをとると安心してしまって、かえって記憶をなくすコトがある。 道具に頼りすぎると、本来持つ能力はどんどん低下してしまう。 パンコン慣れして漢字は書けなくなっちゃうし・・・。 文章自体、パソコンがないと書けないような気さえする。 でも本当は・・・紙と鉛筆さえあれば勝負できるようじゃなきゃダメだ。 ・・・っていう、プライドもあったはず。 そういうワケで最近・・・新しいノートを買ってみた。 ようやく気に入ったノートを見つけて帰り、棚に置こうとしたら・・・。 何も書いていないノートが、ほかに何冊もあったりして。 なかなか簡単には維持できないね、プライドは。 せめて毎日更新だけは続けよう。
参考資料:「有名人 ウソのような本当の話」ユーモア人間倶楽部=編 青春出版社=刊
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