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Episode No.560(20000613):なりたい自分を探そう!

今日、6月13日は『桜桃忌』・・・「生まれてすみません」太宰治の命日だ。

19日の誕生日を目前に、38歳の太宰が愛人・山崎富栄と玉川上水に身を投げたのは1948年。
今年で52回目の『桜桃忌』になる。

陰気なイメージで売った太宰が、実際は陽気な人間。
作品に描かれた自己は演出だった可能性もある・・・という
話は前にも書いたけど。

仮にそうだったとしたら・・・。
バーチャルな自分が次第に膨らんで、ついには制御しきれず、行くところまで行っちゃったのかも知れない。

自分を陰気に見せようなんて人は、そう多くはないと思うけれど。
カッコ良く見せようとか、頭がいいように見せようとか、優しい人に見せようとか・・・。
とにかく良く見せようという意識は誰にでもあるよね。

多かれ少なかれ、誰しも「そうありたい」自分を演出しながら生きているワケで・・・。
本当に「ありのままの自分」を出している人など、そうそういるモノではない。

「カッコつけるのも疲れるから開けっぴろげなんだよ」
・・・なんていう人に限って、そういう自分を演出していたりする。

ある程度の付き合いをしてみると、そういうコトって・・・わりとわかっちゃうモンだ。
でも、わかっちゃうからイヤになるかと言えば決してそんなコトもなくて・・・。
むしろ、そういう方向に頑張っているんだというコトが理解できれば、一層憎めなくなったりもする。

だから長く付き合うコトができるワケで・・・。
どちらか一方が騙されている状態では、いい付き合いなどできないよね。

騙されてる方より、騙してる方に無理がきて・・・破綻を招くコトは必至。
うまく
騙せてるなんて思ううちは、結構、騙されてもらっているコトが多いんじゃないかな。

仮に仕事のうえでも・・・。
商売上の演出はもちろん必要な場面は多いけれど・・・それだけで人は動かない。

素直な自分も出せないし、もちろん演出だってうまくない・・・じゃあ、いったいどうすればいいの?
そう思ったら、まだ「なりたい人」をできる限り具体的に探すコトだと思うな。

歴史上の尊敬できる人物でもいいし、身近にそういう人がいればもっといい。
とにかく「なりたい人」を探して、その人の真似をしてみる。

どんな勉強も、まず真似からはじまる・・・そうやって言葉も覚えてきたワケだし。

真似をして、真似をして、一寸違わないようになれたと思っても・・・結局は違う人間なんだから。
そこから本当の自分がはじまったりするんじゃないかな。

でも、いいところだけ真似をしてもつかめるモノは少ないよね。
つらいところも真似できないと・・・。

かと言って、太宰の最期は真似してほしくないな、やっぱり。


参考資料:「今日は何の日」PHP研究所=刊

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