Episode No.290(990731):バーチャル知識人にはなるまい 今日、7月31日は『星の王子さま』で知られるフランスの作家、アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリの命日だ・・・と言われている。 彼が飛行機乗りとして消息を絶ったのは、今からちょうど55年前。 いまだに飛行機の残骸すら見つかったというニュースは聞かないから、ひょっとして・・・。 生きていれば99歳になる。 ところで、テグジュペリも『ピーターラビット』で知られる女流作家、ビアトリクス・ポターも自ら挿し絵を描いたことでも有名だ。 テグジュペリが描いた『星の王子さま』のイラストは、彼の肖像とともに50フラン札にまでなっているし、ポターはもともと精密画が得意で、博物館に通っては昆虫の標本をまるで写真のごとく書き写すというという手塚治虫顔負けのこともしていた。 文章を書くことも絵を描くことも最初はモノを正確に見とおすことから、すべてがはじまる。 こんな話を知り合いから聞いたことがある。 ある児童画のコンテストで子供たちが描いた風景画を集めてみると、都会の子供は太陽を必ずと言っていいほど赤く塗っている。 一方、田舎の子供が描く太陽は黄色かったり、オレンジ色だったり、さまざまだという。 つまり、この現象だけで言うなら、都会の子供は肉眼で太陽を見ていない。 「太陽は赤い」という情報だけをたよりに絵を描いているのだ。 少し前に、モノマネ・ブームがあった時に、飲み屋でモノマネをして騒いでいる連中を見ると、それはたいてい田原俊彦のモノマネではなく、コロッケのモノマネだった。 ウチの小僧がパンツのランニング姿だったのを見て、思わず「山下 清みたいだ」と言ったら、その後、子供はそういうスタイルが山下 清というモノだと思い込んでしまったようだ。 それを知ったカミさんが「本物の山下 清も知らないのに・・・」とボヤいていたので、私はすかさず言ってやった。 「お前が知ってるのだって、山下 清じゃなくて、芦屋雁ノ助だろ?」って・・・ね。
参考資料:いろいろ
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