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Episode No.529(20000508):金比羅ロマン

このページをごらんの方で、どなたか高松にお住まいの方いらっしゃいませんか?
あるいは、このゴールデンウイークを利用して金比羅参りをされて来た方とか・・・。

実は、ずっと気になっているコトがあって・・・。

と、言うのも・・・はたして金比羅さんに
清水次郎長石松に奉納させた刀は本当にあるのかどうか?!

ひと月ほど前、出張で金比羅さんの近くまで行ったんだけど・・・。
金比羅さんまで上っている時間は、とてもなかった。

地元の人に、それを聞いても「さぁ〜?」と言われるばかりで・・・。
でも金比羅さんの近くでは『石松饅頭』なるモノが売られていたりして・・・。

広沢虎造の浪曲によれば・・・。
文久3年の3月の半ば、いずこも同じ花見時、桜の花は満開で人の心も春めいて何となくいい気持ち・・・。

次郎長親分は森の石松を呼んで、讃岐の金比羅まで代参を言いつける。
世話になったシャチホコ長平衛の仇討ちで、元相撲取りの九六を斬った刀を金比羅に奉納するためだ。

石松はこの代参を済ませた帰り・・・。
生まれ故郷の遠州で都鳥一家に惨殺されて37年の生涯を閉じたコトになっている。

さて、文久3年といえば西暦で言うと1863年、今から137年前の話。
テレビ東京の『開運なんでも鑑定団』は、日曜日の再放送を見るコトが多くて昨日も見てたけど・・・。
登場するお宝からすれば、137年前なんて、そう昔の話でもない。

所詮、面白おかしく作られた浪曲での話。
石松にはこの代参の帰りがけの船で、有名な「飲みねぇ、食いねぇ」のエピソードがあるが・・・。
これは虎造の創作かも知れないし・・・。
第一、石松のキャラクター自体、いろんな子分の面白いところを混ぜ合わせて作られたという話もある。

でも・・・。
もし次郎長の刀が本当に金比羅に納められてたら・・・何かワクワクするじゃない?

ところで「金比羅」という言葉・・・不思議だと思わない? 日本語として。
調べてみたら、サンスクリット語のKumbira(クーンビラ)という言葉が元になっている。
クーンビラは、昔インドのガンジス河で仏法の守護神と言われ、それを祭る習慣もあったとか。

クーンビラ・・・つまりワニ。

次郎長の刀といっしょに、はたしてワニが祭られているのかどうかも・・・。
見てみたい気がする。


参考資料:「日本の伝統芸能・浪曲 広沢虎造〜石松金比羅代参」テイチク
     「ついだけかに話してみたくなる雑学の本」日本社=編 講談社+α文庫=刊

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