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Episode No.427(000108):天才は忘れた頃に理解される

「それでも地球は回っている」

当時、世間を支配していた教会の裁判で地動説を捨てざるを得なくなったイタリアの天文、物理学者ガリレオ・ガリレイ。
彼が、そうつぶやいた・・・というのは、どうやら後の人間の作り話のようだが、天才の無念さを伝えるエピソードとして現在も語り継がれているのはご承知の通り。

そのガリレオが78年の生涯を閉じたのは、今からちょうど358年前の今日、1642年1月8日だ。

今でこそ地動説は当たり前のモノとなっている。
宇宙にポッカリ浮いた地球がまわっているところなど直に見た人なんて、本当は数えるほどしかいないのに。

天才を本当に理解できるのは、天才だけなのかも知れない。

ほとんどの凡人は教わったコトをただ鵜呑みにするだけ。
天動説が正しいと言われれば、そう思うし、地動説が真実だと言われれば、そう信じる。
でも、なぜそうなのかを説明できる人は滅多にいないだろう。

織田信長はポルトガル船によって運ばれてきた地球儀をひと目見て、
「ウム、なるほどこれは理にかなう」といっぺんで地動説を理解したという話が残っている。
さすが鉄砲の威力を見抜いた男・・・だよね。

普通"天才"と呼ばれる人たちの多くは、実際には"天才的な努力"をした人・・・であるコトが多い。
それはそれでものスゴイ才能なんだけど・・・。
エジソンに言わせれば本物の天才は、凡人にはとても理解しがたい"天性のヒラメキ"を持っていて、それを説明するために日夜研究を重ねているモノなのだろう。

天才に憧れるコトこそ凡人の証明。
でも天才=幸福ではない・・・むしろ誰にも理解されない不幸のうちに生涯を閉じた人も多いくらいだ。

アポロ計画で人間が月に行った時、ハンマーと鳥の羽を同時に落とす実験が行われた。
空気のない月の上では、ハンマーと鳥の羽は同時に地表へ到達した。
ガリレオの理論が実験によって証明された瞬間だった。


参考資料:「今日は何の日」PHP研究所=刊
     「21世紀こども人物館」小学館=刊

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