Episode No.395(991201):人並み以下は、人並み以上 さて今日から12月・・・1900年代も、いよいよ今月限りだ。 最近はどこへ行っても空調設備がいいので、以前ほど肌で季節を感じるコトが少なくなった。 代わりに"強制的"なまでに季節感を感じさせられるのが、クリスマスのイルミネーション。 確かにキレイだけどね・・・仕事をしていると、あのチカチカは、やっぱりせわしなく見えてしまう。 電球を発明した人・・・と言えば、たいていの人はエジソンと答えるだろう。 間違いではない、しかし厳密に言えば、初めて電灯の実用化に成功したのはスコットランドの科学者ジェームス・ボウマン・リンゼイという人らしい。 しかし、リンゼイの名はあまり知られていない。 なぜならリンゼイは電灯の実験に成功した段階で「問題は解決した。本来やりたかった語学研究に戻る」と言って、さっさとやめてしまったからだ。 つまり、エジソンほどビジネスマンではなかった・・・ワケ。 ちなみに「電気だからワットじゃなかったっけ??」・・・という人もいるかも知れないが、ジェームス・ワットが発明したのは蒸気機関。 ワットという単位は、もちろん電気にも使われるコトになったが、もともとはジェームス・ワットにちなんで仕事量を指す単位として使われたモノだ。 この蒸気機関を実用的に利用できる蒸気機関車にしたのが、ジョージ・スチーブンソンで、スチーム・エンジンの語源は、彼の名前からきているんだろうな・・・たぶん。 話は電気の話題に戻る。 電気に関わるさまざまな発明品は一般的にはエジソンの独壇場のような感じだが、実は現在、全世界で使われている電力システムは、別の発明家によって作られた。 その男の名はニコラ・ステラ・・・別名、交流電力の父。 ステラは一時、エジソンの元で働いていたコトもあったが、研究内容に関する基本的な方向性の違いからエジソンも元を去って以後独自に研究を進めて交流電流システムを完成させた。 ところでステラには幼い頃から、自分の頭の中のイメージが広がり過ぎて、現実と空想の世界に区別がなくなってしまうようなところがあったという。 ステラ自身は一時、その症状を完全に病気だと思いこんで、ずんぶん悩んだようだ。 しかし、その悩みは研究者となって解決した。 研究者にとって、より明確なイメージが頭の中で作れるコトは大変な武器になったからだ。 さしずめ現代で言えば、3Dグラフィックスによるシュミレーションが考えるだけでできたようなモノだ。 他人とは違う能力を"病気"にしてしまうか"武器"にできるか・・・この差は大きい、ね。
参考資料:「天才たちは学校がきらいだった」トマス・G・ウエスト=著 久志本克己=訳 講談社=刊 「雑学・世界なんでもかんでも最初のこと」P・ロバートソン=著 大出 健=訳 講談社+α文庫=刊 「21世紀こども人物館」小学館=刊
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