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Episode No.319(990903):名は体をあらわさない

名前の付け方には、結構いいかげんなモノが多い。

例えば「カンガルー」。
この名前を付けたのは、イギリスの探検家、キャプテン・クックだという説がある。

クック船長が、上陸地で初めてカンガルーを見た時に、現地人に向かって「あれは何だ?」と尋ねた。
現地人は「カンガルー」と答えたが、これは現地の言葉で「知らない」という意味だったとか。

日本では、ことに国外から入ってきた言葉に、いいかげんなモノが多い。

豆腐と納豆が実は逆に伝わったモノという説があることは、ずい分前にも話したけど、英語のヒアリングのマズさから付いたいいかげんな名前も少なくない。

ジョン万次郎が「What time is it now?」を「掘ったイモいじるな」と覚えたコトは、あまりにも有名な話だが、明治のはじめの頃までは、犬のコトを英語で「カメ」というと信じていた日本人が相当数いたそうだ。
原因は、西洋人が犬を呼ぶ時に「Come on」と言っているのが、そう聞こえたかららしい。

犬を「カメ」と呼ぶことは、幸い定着しなかったが、中には勘違いのままスッカリ定着してしまった言葉もある。

「ワイシャツ」がそう。
クリーニング店などでは、よく「Yシャツ」と書かれているので、もともと"Y"のカタチに似たシャツなんて思ったら大きな間違い。
だいたい、どこが"Y"なのか?

「ワイシャツ」を「Yシャツ」と書くのは、まったくの当て字で、本当は英語の「ホワイトシャツ」を聞き間違えたのが定着してしまった・・・というワケ。

余談だが「ワイシャツ」の裾の後の部分が、普通のシャツより長いのは何故か?

昔、ヨーロッパ人はノーパンが当たり前で「ワイシャツ」の裾をパンツ代わりに巻いていた。
「ワイシャツ」の裾の後が長いのは、どうもその名残らしい。
現在でも欧米では「ワイシャツ」の下には下着を付けないのが、基本的なファッションマナーだそうだ。

ところで先日、読者の方から「デジタケ」ってどういう意味ですか? というメールをもらった。
ご想像の通り、本名にあるタケとデジタルを混ぜただけのコト。
ホームページというデジタル媒体を使って自分を表現しようと思ったので、そう名付けた。

毎日キチッと午前0時に更新するところあたり、かなりデジタルっぽいでしょ?
舞台裏は、かなりアナログだけど、ね。


参考資料:「世界史おもしろ1分間知識」毎日新聞社=編 三笠書房=刊
     「すっごく役立つ雑学帳1」素朴な疑問探求会=編 KAWADE夢文庫=刊

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