菅原文太、小林 旭、宍戸 錠、草刈正雄、島倉千代子、前田日明、遠藤周作、村上春樹、赤川次郎、俵 万智・・・。
彼らには共通点がある。さて、何でしょう?
答えは、すべて"本名"を使っていること。
いかにも、それらしい感じの名前だが、みんな親や祖父などが名付けたもので、芸名やペンネームではない。
名は体をあらわすと言うが、彼らの場合、まさにピッタリ。
体をあらわしているかは別にして、俳優やナレーターとして活躍している、下条アトムも本名。
「これからは原子力の時代」ということで、息子にアトムという名を付けたのは、寅さんに登場した"おいちゃん"役の下条正巳。
名付けられたのは、鉄腕アトムが誕生するより以前の話。
「朝日に輝く丘の上の真っ白な雪を踏みしめ、自分の路を歩く」
こんな詩的な思いをもって日本画家の伊藤深水が、新派の花柳章太郎、宝塚の創始者、小林一三と相談して、自分の娘につけた芸名は、朝丘雪路。
子供がスクスクと成長し、リッパな大人になってくれるよう願いをこめて付ける名前には、みんなそれなりの意味がある。
最近は暴走族顔負けの難しい漢字をあてがった名前も多いようで、女の子にも「〜子」という名前は少なくなっているようだ。
私自身が子供の名前を付けた時には、言葉の意味よりもむしろ"音"を重視した。
もちろん、それなりに意味のある言葉をあてがったが、言葉の意味を知るのは漢字の読み書きができてからのことで、それよりむしろ"どんな音で呼ばれるか"という方が、子供の情操に影響を与えるのではないか・・・と考えたからだ。
そういうワケで男の子には、怒鳴りやすい音で名前を選んだ。
あんまり、やんわりとした音よりビシッとくる方が、強くなるような気がしたワケ。
加えて画数が少ないこと。
これは名字とのバランスもあるが、画数が少なく早く書ける方が、テストの時に有利だと思った。
あとは、一度聞いたら、覚えてしまうような名前であること。
ところでアクマくんは、元気でしょうか?