Presented by digitake.com

 

Fictional Talk No.021(990124)
架空対談 
直感とは

N「敵の兵力は3万5,000。我が軍の兵は2,000足らず・・・。ウム。この戦(いくさ)、勝てるな」

K「さ、3万5,000から、に、2,000を引くと、え〜と、え〜と。・・・と、とにかく3万5,000の方が多いんだな。そ、それじゃあ、に、2,000で勝てるわけがないと、ボ、ボクにもわかる。ど、どうやって、か、勝つのかな?」

N「我が軍が3万5,000の兵がいる城を攻めるというなら、2,000の兵ではとうてい勝てまい。だが、敵は3万5,000の兵を引き連れて、我が城に攻めのぼってきている最中。先陣は、どんどん進んで来ておるだろうが、本隊は遅れて来る。本隊の数は5,000。これを叩けくには我が軍の精鋭2,000で充分じゃ」

K「か、数よりも、ど、どこを狙うかが、だ、大事というわけだな」

N「ほほう、そちはなかなか頭が良いのう」

K「そ、そんなことは、な、ないんだな。ボクのことをバ、バカだバカだと言う人がいるんだな」

N「確かに、そちの格好を見れば、お世辞にも賢くは見えまい。拙者とて若い頃にはうつけ者と言われたものよ。・・・だが、人の切れ味など、サヤの装飾でははかれぬもの。拙者は、そんなもので人は判断せん。百姓出身のサルを取り立てたのも、そういう理由があったからじゃ」

K「サ、サルを家来にしたなんて、な、何だか、も、桃太郎さんみたいだな」

N「はっはっはっ、まこと桃太郎のごとき鬼退治をしたものじゃ」

K「ボ、ボクは、ケ、ケンカは嫌いだな。ケンカをすると悲しくなっちゃうものな。ケ、ケンカをするくらいなら、ど、どっかに行って、い、いろんな景色見てた方が、う、嬉しくなるんだな」

N「それも良い。・・・人生わずか50年。しょせん夢まぼろしのようなもの。好きなことに満身できれば幸せじゃ。最も拙者の場合、50年にはあと少しで届かなかった・・・がな」

K「ボ、ボクも50年は生きなかったんだな。・・・と、ところで、し、幸せって何色だ?」


織田信長(戦国武将)1477-1590 享年49歳
山下 清(放浪画家)1922-1971 享年49歳


参考資料:「日本の伝記/織田信長」永原慶二=監修 集英社=刊 ほか

[ Backnumber Index ]