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Episode No.195(990412):地球は、まだ青い?

「地球は青かった」

世界初の有人宇宙飛行を行ったソ連のウォストーク1号は、およそ1時間48分で地球を一周。
搭乗者ユーリ・カガーリン少佐のこの有名な言葉が世界に配信されたのは、今からちょうど38年前、1961年の今日、4月12日のことだ。

ついに人間が宇宙から地球を見下ろす時代が来た・・・!
このニュースに世界中の人々は驚き、アメリカの一部ではソ連に先を越されたことへの悔しさをかみしめ、そしてカガーリンの言葉に、誰もが自分たちの地球への愛おしさを新たにしたに違いない。

しかし、それから10年後。
1970年代当時の日本で連日報道されていたのは、公害問題。
かつての
ゴジラの宿敵ヘドラが、ヘドロから生まれたのは1971年のことだ。
現在では、ヘドロに変わって環境ホルモンやダイオキシンという言葉が連日ニュースを騒がせているが、使われる言葉こそ新しくなってはいるものの、問題自体が解決の方向へ向かっているとは、とても思えない。

環境問題の根本的な問題は、ただひとつ。
自分さえ良ければ・・・という、人間のエゴにある。
自分たちの会社さえ儲かればいいという考えから、自分ひとりくらいゴミを捨てたって・・・という思いまで、すべてエゴに違いない。

ウォルト・ディズニーが、ディズニーランドの建設を考え始めたきっかけは、娘たちを連れて行った遊園地の汚さにあった。
そこら中にゴミが散らかっているうえ、大人の居場所がない・・・私なら、こうするという考えがディズニーランドになったというわけだ。

ディズニーランドには、カストーディアルと呼ばれる清掃班があり、担当する地区を15分ごとにひとまわりするシステムになっている。
万が一、ゴミが落ちていても15分以内には必ず清掃されるうえ、そのみごとな手さばきはショーの一部と認識されているので、カストーディアルたちのプロ意識も見事なものだ。

少しでも汚れたままになっている場所があると、汚れは集まってくるものだが、ピカピカに磨かれた場所を汚すのは、かなり抵抗があるもの。

そういう私の机の上も、いつ雪崩が起こっても不思議はないくらい書類が積もっている。
別に他人に迷惑をかけているわけじゃないから・・・という言い訳も大切な書類が見つからなくなった時には通用しないん・・・だな。


参考資料:「東京ディズニーランド ポケット百科」講談社=刊
     「人を集める なぜ東京ディズニーランドが"はやる"のか」堀 貞一郎=著 TBSブリタニカ=刊 ほか

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