透き
Distance.
酒を酌み交わして仲良くなるのは、
お互いに隙を見せ合うからだろう。
欠点を見せ合うことで、
親しみや…
かえって信頼が生まれることが多々ある。
そもそも完璧な人間などいるはずがないのに、
完璧ぶること自体が大嘘つきなのだ。
酒は人間関係の上で、
実にいい潤滑油だと思う。
最も呑めない相手もいるが、
少なくとも一緒に食事をすることで、
その距離はグッと近づく。
もともと食事は本能でするものだから、ね。
いかにいい潤滑油があっても、
歯車の距離=透き間が開きすぎていては、
差したつもりが宙に放ってしまい、
お互いをつないで首尾良く回すことはできない。
客先と仲良くなるために接待をする。
…などと言うと、
実際の営業現場を知らない人は、
金を遣って仕事をとる、
何だかズルいやり方と思うだろうが、
やってみるとこれはかなりの高等テクニック。
いや、テクニックだけではできない、
人間力が必要なのだ。
何故なら…
ただ食事をするのに、
気を遣う相手とするのは面倒なわけで、
よほど自分が気に入ってもらえない限り、
まず食事や酒席に相手を連れ出すなんてことは
簡単にはできない。
まったく異性をデートに誘うのと同じだね。
潤滑油の届く距離まで、
相手との透き間を詰められるかどうか。
透き間風ばかり吹きぬける距離のまま、
待っていたところで…
北風と太陽になんてならない。
相手はその場から立ち去り
…距離は広がるだけだよ。
だから…人生、日々更新。
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