でじたけの「人生日々更新」隙(すき)

Episode No.4614(20130604)[生活]Life

隙(すき)
Incompleteness.

愛人の欠点を
美徳と思わないほどの者は
愛しているとは言えない
…と言ったのはドイツの文豪、
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ

中学、高校の頃、
よく「ゲーテ格言集」を片手に
友人カップルをつかまえては、
この言葉を投げかけて…
結果、別れさせていた。

とても十代の未熟な男女に
解し、実践できることでないことが
当然なのはわかりきったことだけど、ね。

さて、人が愛されるというのは、
その人が何も“完璧”な
何かの能力を持っているからではなく、
むしろその逆。
不完全で安定しないものがあるからだろう。

“完璧”に見える何かの能力に惹かれるのは、
憧れであって、愛ではない。

最もわかりやすい愛は親子愛である。
親が子供を思う愛を見れば、
対象が不完全であることを知っているからこそ、
愛していることを理解できるだろう。

男性が女性を愛するのは、
まず肉体的な力において
女性のか弱さがあるからで…。

女性が男性を愛するのは、母性の業。
自分がいないと何もできない…、
そんな一見、だらしのない男を
愛するのが女性だろう。

つまり人が愛しているのは、
相手の隙(すき)なのだ。

相手に隙を見せないようにするのは、
いわば相手を拒絶しているにも等しい。

隙こそが欠点…
故に人は愛するものに苦しめられる。

愛こそは生きるための訓練であり、
愛に救われるなんてのは、まやかし

愛ほど残酷なものはないのに、
愛し続けようとするのは…
どうせ死ぬのに、生きようとするのと同じ。

そこには…
生きなければ、愛さなければ、
絶対にわからないものがある。

だから…人生、日々更新

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