嫌いな人に嫌われても何とも思わないけど、
好きな人に嫌われたら悲しい。

恋人や子供、あるいは親の口から、
つい出てしまった心ない言葉には悪気はなくとも、
愛している側とすれば身を引き裂かれる思いを感じてしまう。

そういう思いより冷静さが先立つのは
決して人間ができているからではなく、
愛を感じていないからに違いない。

恐怖に勝る冷静さは勇気が勝ち得ても、
勇気の源が愛である限り、
愛に勝る冷静さなどあり得ないはずだ。

人でなく仕事や趣味も同じ。

こだわればこだわるほど理想は高くなるが、
そこに達成するまでの道のりは長くなる。

愛着のあった物は、
たとえ今、必要な物でなくても捨てることができまい。

こだわりとは、つまり愛である。

人は愛するものに苦しめられている。

そんな苦しみから逃れるために、
いっそ愛など捨ててしまってはどうか？

それができる人がいたとしても
理解を得ることはできないだろう。

愛を感じられない人に対し、
嫌悪さえ感じるのは…
愛を捨てた人が人生の苦しみから逃げた人だと、
頑張って生きてる人ほど知っているからだ。

人生は肉体という檻に幽閉された刑務所も同然。
苦しくともキチンとお勤めを果たさない限り、
天国に行けないどころか
…次に食うメシもうまく感じられなくなっちゃう。

この世という刑務所は
幸いにしてメシだけはうまいんだ。

死ぬまでまずいメシを食い続けなければならないなんて
…それこそ地獄だろ？

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