でじたけの「人生日々更新」一歩進んだ若者たちの試みが 百歩後退した志でなければいいのだけれど…

Episode No.4535(20130304)[生活]Life

一歩進んだ若者たちの試みが
百歩後退した志
でなければいいのだけれど…
A young man, be ambitious.

あれは確か…
ワールド・ビジネス・サテライト
…だったかな。
若い起業家たちの新しい試みが紹介されていた。

それは…物々交換。

ちっとも新しくはない、
極めて原始的な方法なんだけど…
例えば、レストランが
制作会社にホームページの制作を依頼する。
対価は現金ではなく
レストランのランチ・チケット。

30万円分のチケットだって、
原価は30万かかってるわけじゃないから、
レストランにすれば安上がりだし、
制作する方にしても、
何度も店に通うことによって、
その店が大切にしたい雰囲気を
つかみやすくなるから制作もしやすくなる。

ほかにも町内の地図に載せるイラストを描いて、
お店にある1,000円以上の何かをもらう
…なんていうイラストレーターが紹介されてた。

お金以外の予期しないものを受け取ることで、
まるで、わらしべ長者にでもなったような
驚きやら、喜びがあるらしい。

ご近所とのコミュニケーション
希薄になった今…こんな取り組みが
“いいこと”として紹介されていた。

確かに悪くはない…と思う。
けれど、決していいとは考えられない。

もっと言えば、所詮お遊びでしかない
…というか、
人とのコミュニケーションが不得手な
ゲーム世代のリハビリみたいなもんだと思うんだよ。

だって…
もし、こういうことが広がっていって、
とりあえず衣食住には困らないからいいや
…なんて状態になってしまったら、
税金はどうやって支払うんだ?

課税対象がなくなれば、
支払わなくてもいいじゃないか?
…なんて、みんなが言い出したら、
信号機は誰が運営する?
町と町とをつなぐ新しい橋は、
いったいどうやってかけるんだ?
そして…
国の借金は、どうやって返すんだ?

橋なんか必要としない、
特定の村社会の発想なんだよな…物々交換ってのはね。

世界を広げるだけ広げておいて、
やっぱり自分たちだけで生きよう
…なんてのが、潔いとは思えない。
むしろ、ズルい感じがしてきてしまう。

ま、テレビで紹介されてた
人たちのやっていた物々交換だけが、
その人たちがやろうとしている
すべてではないと思うけれど…ね。

何か、日本の若者たちが、
どんどん小さくなっていくようで、
素直に素晴らしいこと、とは思えなかったよ。

歴史は繰り返されることはあっても、
決して後戻りはできないからね。

だから…人生、日々更新。

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