イッセー尾形さんが昭和天皇を演じた
ロシア人監督による映画「太陽」をようやく観た。

先週、珍しく夫婦そろって体調が悪くなったので、
週末は静かに過ごした。
…で、せっかくなので映画を観ることにした。

この映画は日本では絶対に作れないな、と思った。

はたしてどこまでが記録に残されたもので、
どこからが想像による演出なのかはわからないけれど、
いずれにしても、あの昭和天皇を…
良く言えば人間的。
悪く見れば情けないくらいに描いている。

疎開先から戻った皇后陛下(桃井かおり)を
抱き寄せるのではなく、
母親に対するようにすがりついたり、ね。

つまり…人間的と思えるのは、弱さ、なんだな。

ただ、一方では驚くほどの強さも描かれていた。

物語は終戦直後の一週間くらいを描いていて、
マッカーサーとの会見シーンが何度か出てくる。

マッカーサーのところにいるアメリカ人通訳は
日本語が極めて堪能。

おそらくは日本生まれで、
天皇陛下を神だと教育されているから、
司令官に対しても礼を尽くすよう進言する。

やがてマッカーサーが業を煮やしはじめると、
天皇陛下はいきなり英語で話し出す。

昭和天皇は英語ができたんだ。
ほかにもドイツ語やフランス語もできると言った。

以後、幾たびかの会見は英語で行われていた。

ラストシーンも実に映画的な
ショッキングな終わり方をするけれど、
これはネタバレになるので興味のある方はぜひ。

しかし、イッセー尾形は凄いな。

いつもたった独りでいた昭和天皇を
独り芝居の天皇が演じきったという感じ。

また、イッセー尾形が観たくなった。

だから…人生、日々更新。