かつて、漫画の神様・手塚治虫は、
週に何本もの連載を抱えて、
寝る時間もない生活を送っていた。

作品のアイデアを練るのは、
移動中の乗り物の中…なんてことは日常茶飯事。
しかも、着いたら描き始めないと間に合わない状態。

そんな状況をご本人が振り返って…、
実際にアイデアを考えているのは、
最初のせいぜい５分だ…と言う。

最初のヒラメキが大事であり、
後で考えることなど、
最初のヒラメキを補うことか正当化することに過ぎない。

神様…でなくても、
我々も実は同じようなことをやっていることが少なくない。

何かを頼まれて、最初に「嫌だ」と思うと、
後から懸命に考えるのは、
その「嫌だ」という思いを
自分のワガママとしてではなく、
世間的に正当化するための大義名分探しばかり。

億劫、横着、そして苦手意識…。
どれもハタから見れば似たようなものであるけれど、
本人にはそれなりの理由がある。
ワガママを覆い隠すための防衛本能から出た理由が…。

神様は最初のヒラメキによって人を喜ばせたけれど、
凡人は最初のワガママによって信頼をなくしてしまう。

自分が神様ほどの
天才的な何かを持っている確信がなかったら
…まず、なぜ自分がそれを前提にしているのか…
その理由を客観的にとらえることを心がけよう。

立ち位置を変えない限り、真実は見えてこない。

だから…人生、日々更新。