伊豆と言えば海…ばかりでなく山も多い。
天城もあるし、ね。

…と、いうより半島自体が巨大な山で、
海沿いの、ちょっとした平らな土地に
人々が生活している…という感じだ。

海を見下ろす高台に、
よく神社を見かける。

どうしてこんな行きづらい、
不便な場所にあるのだろう
…と、首を傾げたくなるような高台だ。

山に宿る神を祀るという考えはわかるけれど、
日常参る場所なのだから、
もう少し行きやすい場所にあってもいい。

長い石段や
山頂に境内を作るのも大変だろうに…。

その土地に長く住む
地元の人には、語り継がれたその理由が、
ちゃんとわかっていた。

ようするに…避難場所なのだ。
津波の、ね。

それが証拠に、鳥居も長い階段も、
たいてい海に向かって設置されてる。

これなら逃げてきても
一気に高台へ駆け上がることができるよな。

先頃、防災の日に向けて、
太平洋沿岸の津波被害について、
海沿いの町の不安を煽るような
新しい調査が発表された。

しかし、何も
最新の科学技術をもってしなくとも、
…祖先はちゃんと準備してたんだ。

大切なのは、
新しい情報だけでなく、
長年語り継がれている
実際の経験に基づいた先人の知恵。

昔の人は何も知らなくて、
今の人たちの方がたくさんのことを知ってる
…というのも間違いなら、
知ってることと、できることは根本的に違うんだ。

だから…人生、日々更新。