便利=幸せ
…という誤った幸福感に至った最大の要因は
戦争にあると思うな。

戦時中を過ごした人たちは、皆、
物のない時代の話を懐かしそうにするでしょ。

豊かな暮らしを夢みて、
働いて、働いて…物が溢れる時代ができた。

それでも、
物のない時代を過ごした人たちにとっては、
達成感はあったと思うし…。
物のない時代にした苦労と、
それを乗り越える力を手にできただろう。

では…
生まれた時から物が溢れる時代にいる連中は、
いったい何を目指せばいいのか…？

いや…
どんなに物で溢れかえっていても、
すべての物なんて、
常に目の前にあるものじゃない。

森があれば
広場が欲しくて木を切り倒したくなる。

どんな時代の若者たちも、
新しい時代を築こうとして、
手始めにやるのが既成の秩序破壊でしょ。

作っては壊し、壊してはまた作る。
メシを食ってはクソをして、
腹がカラッポになるとまた何か食いたくなる。

でもね…
食いたくなる、ということが
生きていくためには、とても重要なことで、
腹が減らないような暮らしは生き甲斐をなくす。

満足したとたんに、
それ自体を不満に思うのが人間だから
…あいかわらずゲームはよく売れてるんじゃない？

ただ…
ひと度破壊してしまったら、
もう二度と元へは戻らないものがあることを
肝に銘じておく必要はある、ね。