何かとこじつけて考えたがるのは…

高尚ぶって言えば、
物事の原理を見出したいという
哲学的な欲求であるが、
平たく言えば、
生きていく上での不安を
少しでも払拭したいという
…小心の表れである。

ただ、そもそも
小心であることを認めなければ、
学問など発達して来なかっただろう。

武器を欲しがるのは、
非力であることがわかっているから。

ところが…
いくら武器を集めてみたところで、
弁慶よろしく
抱えきれる武器など、たかが知れている。

加えて武器を持つことはエネルギーを消耗させる。

一方、勇気と知恵というやつは、
いくら持っていても
エネルギーを消耗させるどころか、
増幅させてくれる。

だから牛若丸は扇一つで弁慶に勝てた。

自分独りで歩いているつもりでいても、
目の前には何かが立ちはだかって来る。

苦難を乗り切るのに必要なのは…
武器を揃える金より、
やっぱり勇気と知恵…。
その勇気と知恵を吸収する元になる
…フットワークだな。

弁慶はその出で立ちで、
それまで動かずに勝っていたかもしれないが、
動き回る牛若に破れた。

何かとこじつけて考えたがるのは…
つまり、自分のケツを叩くためである。