近所の花屋が
実は高校の後輩だったことを知り、
花束を長持ちさせる方法を聞いた。
良かれと思って、
つい花瓶に水をたっぷり入れてしまうけど
…それが根腐れを引き起こす最大の要因。
結局、水は茎の先端からしか吸えないから、
せいぜい3〜4cmもあればいい。
水は腐る前に換え、
水を換えた時には茎の先端を少し切る。
…と、言われた通りやってみると、
少しずつくたびれてはくるものの、
半月以上経ってもまだ咲いている花がある。
考えてみると華道では
同じ理屈で活けられているものな。
この話は考えようによっちゃ、
すごく深い話…だと思うんだ。
肉も魚も、
たいてい死んだものが売られているけど、
花や野菜ってのは、
命そのものが売られているんだよな。
その命の輝きを少しでも長引かせるための、
命を無駄にしないためのコツ…だから、ね。
…それは何より尊い話だろう?!
さらにこじつけて考えてみると…
人生も花束と同じかもしれないな、と思う。
生まれた瞬間が、
実は切り取られた瞬間で…
最初は蕾。それから花を咲かせてく。
あとは、いかに長い時間、
花を咲かせられているか…。
あんまり、水に浸かりすぎると、
…やっぱりすぐ腐る。
手入れをする度に短くなっていく。
ほっときゃ、
枯れ果てた醜い姿をさらすだけだが…
心がけによっちゃ、
最期まで花を開かせて、
見る人に何かを感じさせることができる。