PHP研究所から
「不況に克つ12の知恵」という
松下幸之助の本が緊急出版された。

いわば数ある松下幸之助の本の
よりぬき版であるが、
肉声の入ったCD付きで
税込み500円という価格が、
本を売って儲けよう・・・というのではなく、
今こそ知ってほしいことがある・・・という感じで
すごく嬉しく思えた。

もっともらしいことなら
誰でも言えるが・・・
実際に幾多の苦労を越えてきた人の言葉は、
あきらかに違う。

読み進めていくうちに・・・
何だか見透かされているような気持ちになり
・・・そして素になることで勇気がわいてくる。

思えば松下幸之助が越えてきた不況は、
今の不況なんてもんじゃないだろう。

何せ、戦争、敗戦を越えてきているんだからね。

会社が焼けてしまったから、
戦争に負けてしまったから、
仕方ないんだと言って・・・
命はあっても
自ら興した会社や商売を捨ててしまった人も
・・・大勢いたことだろう。

「腹をくくらないことには、
　もうしゃくにさわってしかたがない。
　見るもの聞くものみなしゃくにさわる。
　こうなってまいりますから、
　なかなかいい知恵が出ません。
　度胸を据えていかなければならん、
　ということを私は自分に言い聞かしているわけです」

経営の神様は、自分が神様でないことを誰よりも知っていた。

引くに引けない経営者という立場が試されるのは・・・まさに今だ、な。

参考「不況に克つ12の知恵」松下幸之助=著　PHP研究所=刊