Episode No.4239(20120323)[偉人]Great man

左官の神様
God of the plasterer.
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下田の街並みを眺めると、
格子になったナマコ壁がよく目に付く。
実に下田らしい建物だ。

このナマコ壁。
出っ張った白い部分が
海にいる
あのナマコに似ていることから付けられた名前。

…とはいえ粘度状のものを
ナマコのようにベタッと貼り付けたわけではなく、
塗っては乾かし、
乾いては、また塗ってを繰り返し、
あのように盛り上げていくそうだ。

だから、盛り上がりが高いほど
職人の手がかかっているわけで…
その高さは金持ちの証になっているとか。

この壁を塗る仕事をするのが左官屋さんで…
伊豆には江戸から明治にかけて活躍した
入江長八…通称、伊豆の長八と呼ばれる
伝説の左官職人がいた。

その長八が描いた、コテ絵の美術館
下田からさらに西へ進んだ駿河湾側、
松崎にあるというので訪ねてみた。

入口を入るとまず渡されるのが虫眼鏡。
作品が実に細かいので
虫眼鏡がないとよく見えないのだ。

…確かに細かかった。
これを一切削らず、盛り上げるだけで作るとは!
器用にもほどがある。

ところで…
この美術館は全国から集まった
左官職人たちが長八に負けじと建てたもの。
建物自体も美術品のようだ。

松崎までは電車もないから
行くのはちょっと大変だけど…
行けば行っただけの価値あるものに出逢える街だな。

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