Episode No.3203(20081202)
定義

NHKの「フィギュア特集」で・・・
評論家の山田五郎さんが
アート(芸術)とクラフト(工芸)の違いについて
非常にわかりやすい解説をしていた。

アートとクラフトは、
もともと同じもので・・・
いずれも金持ちのパトロンによって
支えられていた。

それが分かれたはじめたのは
19世紀以降・・・
革命によって、一部の金持ちのための
アートとクラフトは、
美術館や博物館を通して
一般の人の目にも触れるようになる。

・・・そうなると、
美術館や博物館に入るものに対する
条件や定義が必要になってくる。

一点物はアート寄りで、
大量生産されるのはクラフト寄り
・・・とか、ね。

じゃあ、アーチストと
クラフト・ワーカーの違いは何かと言えば、
実は本人の趣味や感覚ではないかと、
山田五郎さんは言っていた。

アートと言われないと満足しない人もいれば、
そんな面倒なことよりクラフトを作る方が
気が楽だという人も少なくない。

アートが上で、クラフトが下・・・という
権威主義的な感覚も昔のこと。

美術館や博物館でなければ、
そうした物に出会えない時代とは
大きく異なっている。

NHKが「フィギュア特集」をやる時代だから、ね。

既存の定義やルールに惑わされていては、
本当に自分がやりたいこと、
ましてや新しいことなど
・・・見つかるはずもないだろう。