理性ですべてを制御できる。
それがインテリジェンスだと思っていた。
…とは、晩年の三島由紀夫の弁。
晩年…といったって、
亡くなったのは45歳だから今の私より年下だ。
この言葉の意味するところとは
多少ずれているかもしれないけれど…
何にでも勢いのある若い頃には、
とにかく、まず
考えてから行動することが求められた。
ところがそれでよかったのは、
せいぜい30代くらいまでで…
40代、50代になってくると、
肉体が衰えてくるものだから、
黙っててもまず考え込んでしまうようになる。
思慮深いようでいて、
実は臆病になってくるのだ。
そうなると必要なのは、
考える…というブレーキではなく、
行動を促すためのアクセルなのだ。
何をアクセルとするか…
そこがまた難しいところではあるが、
インテリを装ってブレーキをかけるのは、
実は大義名分をかざしながら
楽をしたいだけの話で、
まったく誉められたものではない。
若い頃とは違う頑張り方をしないと、
若い頃に持っていた気持ちさえ
持ち続けていられなくなってしまう
…それは成長じゃなく退化だろ?