Episode No.3634(20100419)
憧れの道具たち〜その歴史を探る(1)

万年筆を買った。
自分への誕生日プレゼントとして
…なんていうのは大義名分だけど、ね。

前に買った万年筆は娘にやって…
今回のはフランスの名門メーカー、
ウォーターマン社製
クルトゥール万年筆クリアーF。

字面だけ見ると、
かなり高価なもののように思えるけど
…オークションでの落札価格は2,600円。
しかも新品で。

最近は、こうしてキーボードを使って
文章を打つことが日常となってとまったけれど、
書く、あるいは描くうえで必要な文具の中でも
ペン…ことに万年筆への憧れは今も強く持っている。

そういえば、
万年筆の話からいきなりそれてしまうんだけれど、
以前「手塚治虫展」を見に行った時に、
再現された仕事場の机の上に
無数の、少し錆びついたペン先が置かれていた。

それを見たハタチそこそこの若いカップルが
「あれは何だろう?」と首をかしげてる。
ペン先を知らないことに逆に驚いた。
当然このカップルは万年筆も持っていないだろう。

昔は入学祝いといえば万年筆だった。

私自身は万年筆をもらったことはなかったが、
大学には行って最初に自分で買ったのは万年筆。
それも勉強のため…ではなく、
物書きに憧れて、
文豪が持つような太い万年筆がほしかったのだ。

文豪といえば、外国の文豪が
タイプライターを打つ姿にも憧れていて、
初のポータブルワープロが発売された時には、
定価72万の機種が
展示品処分特価38万だというので、
学生の分際にもかかわらずローンを組んで購入。
その機能たるや、液晶は2行しか見えないし、
今ではオモチャ屋で売られている
子供用ワープロの方が、はるかに高性能だね。

ともあれ、こうしてキーボードを打つようになって、
すっかり万年筆も使わなくなってしまったし、
そもそも、よほど大きな文具店にでも行かない限り、
そこらへんの文具コーナーには、万年筆どころか
インクのカートリッジも売っていないから、
使おうにも使うこともできない状態になってしまっている。

そんな中…最近は、ネットショップのおかげで、
今ではレアなアイテムになってしまった万年筆も
手軽に購入できるようになった。しかも安価で、ね。

万年筆といえば、
モンブランやパーカーといったブランドが
一般的には有名だし、
セーラーやプラチナといった日本のブランドも多い。
私が30年近く前に
1万5,000円も出して買ったのもプラチナの万年筆だった。

今回何故、ウォーターマンを買ったのか?

調べていくうちに、
いろいろと興味深いことがわかってきたので、
今週は久々に自由研究の成果を紹介していこうと思う。

◇明日へ続く


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