寝床で読んでいた
浪曲師・広沢虎造の伝記
「江戸っ子だってねえ」吉川潮=著
…をようやく読み終わる。
本妻に6人、
2人の妾に3人、4人…と
わかっているだけでも
十数人の子供がいた虎造。
チャップリンにも4人の妻と
十数人の子供がいたけど…
別れては再婚を繰り返したわけで
重なっていたわけではない。
そこいくと虎造は同時進行。
おおらかな時代、とはいえ豪気なものだし、
大した甲斐性ですなぁ。
本妻も意地を通して
妾に自分を「姐さん」と呼ばせ、
月一回は挨拶に来させたというから、
まるで虎造が語る次郎長一家みたいだ、ね。
ところでそんな虎造を
最も理解して支えていたのは
本妻の子、娘の整子さん。
その整子さんの話が、
かなり伝記の情報源になっているらしい。
整子さんのその後について
詳しい記述はないけれど…
どうやら生涯独身で、
浅草で小さな呑み屋を営んでいたらしい。
さぁ、それを知ると、
何としてもその呑み屋を見つけ出し、
直に虎造の娘の話を聞いてみたくなる。
ところが、この本が出たのは10年ほど前。
ネットを検索してみると
…残念ながら6年くらい前に亡くなっていた。
その呑み屋の常連客が撮って
ブログに小さく載せていた虎造の娘は…
本当によく虎造に似ているように見えた。
さすがに芸の世界の話には通じていて、
訪れる客に、寄席の楽しみ方などを
楽しそうにアドバイスしていたらしい…。
ああ…会ってみたかったなぁ…!